深海魚
「二月の勝者」9巻を読みました。
重いというか、物語の佳境に入ってきた巻でありました。
その中で書かれていた「深海魚」なる言葉。
最近になってよく言われる言葉なんだと思いますが、
意味は「成績が最下位あたりでそこから浮上出来ない生徒」という意味らしい。
分かりやすいのかもしれませんが、ものすごく違和感を覚えるんです。
まず完全に否定的で差別的。普通の魚じゃない。もう種が違うんだよと。状況を表す言葉じゃない気がします。
同じ試験を潜り抜けて同じレベルで集まった集団なのに、そんな中でも差別をしたがる。
本当にそうなんでしょうか?
後述もしますが、私の私立中学での思い出から振り返るなら、同じ学校内の生徒同士ではそんなこと気にしない。
差別をしたがるのは外部だと思います。
さて、作品の中では、頑張って自分の偏差値よりも良い学校にギリギリで入れたために、授業に付いて行けず「深海魚」になった。
その子は結局公立中学に転校します。
何故、深海魚になったのか?
中学受験で燃え尽きたとか、親が主導で選んだ学校だったから頑張れなかったとか、色々言われるんだと思います。
だから、中学受験の志望校は、身の丈に合った学校が良い。
ここにも引っ掛かるのです。
私の通っていた難関私立中学校からすると、中学の時に「深海魚」だった生徒が東大に入ったとか、医学部に合格したとか、本当に多くの例を見てきました。
京大に進学が決まった友人が、そもそもこの中学校受験時は第一志望だったとか、(ちなみに私は第三志望)そんなことは多々ありました。
なので、ギリギリで入ったから深海魚なんてことはない。
別の種だなんて、幻想です。
同じレベルの集団でも必ず最下位は出ますけど、能力についてはそれほど差なんてない。
ゆっくりしたいときとか、調子の悪いとき、やる気が出ないとき、誰にでもあるものだと思うので、「深海魚」なんて枠で囲わないで欲しい。
そもそもじゃあ難関大に行ったからといって、成功してない人だって見てきた。
って、長くなりすぎたので、今回はここまでで。